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バケットリストの作り方 — 「書いて終わり」にしない 5 ステップと項目例

ノートに手書きでリストを書いている手元の写真。バケットリストを書き始める瞬間のイメージ
Photo by Cathryn Lavery on Unsplash

バケットリストの作り方を検索すると、だいたい同じ答えが出てきます。「ノートを用意する」「思いつくままに 100 個書く」「ときどき見返す」——そして、その通りに作られたリストの大半は、1 年後には開かれなくなります

私はバケットリストのアプリを作っている運営者として、ユーザーがどこでリストを放置するかを見続けてきました。挫折のポイントは書き出しではありません。書いた後です。つまり「作り方」で本当に重要なのは、きれいに書くことではなく、書いたリストが実行される仕組みまで作ることです。

本記事では、Bill Perkins『DIE WITH ZERO』の発想を土台に、書いて終わりにしないバケットリストの作り方を 5 ステップで解説します。項目の例、書き方のコツ、紙とアプリの使い分けまで、この 1 本で完結するように書きました。

作り方の前に — 普通のバケットリストが失敗する理由

先に結論だけ押さえてください。バケットリストが機能しなくなる最大の原因は、すべての項目が「いつか」という同じ棚に置かれることです。

「オーロラを見る」も「親と旅行する」も「マラソンを完走する」も、期限のないリストの上では等価に見えます。しかし現実には、それぞれ実行できる年代の窓が違います。親との旅行は親が元気な間しかできず、体力が要る挑戦は若いうちが楽で、逆に学び直しはいつでも始められる。この非対称を無視したリストは、緊急でない項目が永遠に後回しになり、気づいたときには窓が閉じています(この構造は バケットリストが続かない 5 つの理由 で詳しく分解しています)。

だから、これから紹介する作り方の核心はステップ 3——項目を年代帯に振り分けることにあります。ここが普通の作り方との分かれ目です。

バケットリストの作り方 5 ステップ

ステップ 1: まず量を出す — 30 分で 50 個(質は問わない)

最初のセッションは発散に徹します。ルールは 3 つだけ。

  • 実現可能性を審査しない。「できるかどうか」は後の工程の仕事です
  • 大小を混ぜる。「世界一周」と「近所の気になる店に入る」を同列に並べる
  • 止まったらカテゴリを変える。旅 → 家族 → 学び → 健康 → 仕事 → お金、と視点を回す

目安は 30 分で 50 個。最初の 20 個は誰でも書けます。本音が出てくるのは、書くことがなくなって苦しくなった後の 20 個です。100 個まで伸ばす場合の質問リストは やりたいことリスト 100 の作り方 に用意してあります。

ステップ 2: 各項目に「なぜ」を 1 行添える

書き出した項目を眺めて、それぞれに 「なぜやりたいのか」を 1 行だけ 添えます。ここで 2 種類の項目がふるい落とされます。

  • 借り物の願望 — SNS や他人のリストから来たもの。「なぜ」が書けません
  • 手段の目的化 — 「貯金 1000 万」など。なぜを掘ると「そのお金で何をしたいか」という本当の項目が出てきます

この工程で 50 個が 35 個程度に減るのが普通です。減ることは失敗ではなく、リストの純度が上がった証拠です。

ステップ 3: 年代帯に振り分ける — このリストの背骨

ここが最重要工程です。残った項目を、「〜30 代」「40 代前半」「40 代後半」……のような 5〜10 年の年代帯(タイムバケット)に振り分けます。振り分けの基準は「いつやりたいか」ではなく、**「いつまでならできるか」**です。

  • 体力が要ること(登山、長距離の旅、スポーツ)→ 早い年代帯へ。回復力は 40 代から目に見えて落ちます
  • 人の健康寿命に依存すること(親との旅行、祖父母の話を聞く)→ 最優先の年代帯へ。日本の健康寿命は男性 72.68 歳・女性 75.38 歳(健康寿命と人生設計)。親が 60 代なら、窓はすでに開いて、閉じ始めています
  • お金がかかるが体力は不要なこと(豪華な旅、道具への投資)→ 収入が伸びる中盤へ
  • いつでもできること(読書、映画、資格)→ 後半へ。ただし「いつでもできる」は「永遠にやらない」の言い換えになりやすいので、それでも帯には必ず入れます

振り分けてみると、特定の年代帯だけが渋滞していることに気づくはずです。それがあなたの人生計画の歪みで、これを見つけることこそバケットリストを作る最大の価値です。タイムバケットの考え方自体は タイムバケット完全ガイド で掘り下げています。

ステップ 4: 直近の 3 個に日付を入れる

リスト全体を実行しようとしないでください。今の年代帯から 3 個だけ選び、それぞれに「次の一歩の日付」を入れます

ポイントは、完了日ではなく 着手日 であることです。「今年中にオーロラを見る」ではなく「10 月の三連休に航空券を調べる(10/10)」。バケットリストの項目は大きすぎて日付を入れられないものが多いので、カレンダーに載るサイズまで刻むのがコツです。

ステップ 5: 年 1 回の棚卸し日を決める

最後に、リスト全体を見直す日を年 1 回決めます。誕生日か年始がおすすめです。棚卸しでやることは 3 つ。

  1. 完了した項目に日付を記録する(これが後で読み返す資産になります)
  2. やりたくなくなった項目を「もうやらない」に移す(消さない。価値観の変化の記録です)
  3. 次の 3 個を選び直す

私自身は毎年 1 月 2 日にこの棚卸しをやっています。数年続けてわかったのは、リストの中身より 「毎年同じ項目が残り続けていること」に気づく効果 の方が大きいということでした。3 年連続で残った項目は、本気でないか、刻み方が大きすぎるかのどちらかです。

書き方のコツ 3 つ

ステップとは別に、項目の書き方そのものにもコツがあります。

1. 動詞で終わらせる。 「ハワイ」ではなく「ハワイで父と海に入る」。名詞のリストは願望のカタログにしかなりませんが、動詞のリストは行動の指示書になります。

2. 完了条件がわかる形にする。 「英語を話せるようになる」は永遠に完了しません。「海外旅行で通訳なしに 1 日過ごす」なら、できたかどうかが自分でわかります。

3. 他人のリストは質問集として使う。 年代別の例(20 代30 代40 代50 代60 代)は「自分はどうか?」と問いかける鏡として使うもので、コピーして項目数を稼ぐためのものではありません。

カテゴリ別の項目例

発散が止まったときの呼び水として、6 カテゴリの例を置いておきます。

旅・場所 — 死ぬまでに見たい風景を 3 つ決めて見に行く / 自分のルーツの土地を訪ねる / 移動そのものが目的の旅(寝台列車・フェリー)をする

家族・大切な人 — 親と二人だけで旅行する / 祖父母の人生の話を録音する / 旧友 5 人で本気の集まりを企画する / 子供と 2 人きりの旅をする(親と過ごせる残り時間 を先に読むと、このカテゴリの優先度が変わります)

体・挑戦 — フルマラソンか登山など体力の境界を試す / 人生で一番の身体コンディションを作る年を設ける / 怖くて避けてきたこと(スカイダイビング、人前で歌う)を 1 つやる

学び・創作 — 楽器を 1 年やって人前で 1 曲弾く / 本や作品を 1 つ完成させて世に出す / 第二言語で 1 日過ごす

仕事・お金 — 自分のサービスや店を 1 つ持つ / 収入源を複線化する / 誰かの挑戦にまとまった額を投資する

暮らし・その他 — 理想の書斎(または庭)を作る / 1 ヶ月何も予定のない期間を作る / 誰にも言っていない夢を 1 つ、誰かに話す

紙のノートか、アプリか

結論だけ書くと、書き出し(ステップ 1〜2)は紙、運用(ステップ 3〜5)はデジタル が最も挫折しにくい組み合わせです。発散は手書きの方が検閲が外れやすく、年代帯への振り分けや日付管理は、書き直しが発生する以上デジタルの方が圧倒的に向いています。この比較は ノート vs アプリ で、アプリを使う場合の選び方は バケットリストアプリの選び方 で詳しく扱っています。

まとめ — 作り方の要点

  1. 30 分で 50 個、審査せずに書き出す
  2. 各項目に 「なぜ」を 1 行 添えて、借り物の願望を落とす
  3. 年代帯に振り分ける。基準は「いつまでならできるか」
  4. 直近の帯から 3 個だけ選んで着手日 を入れる
  5. 年 1 回の棚卸し日 を決める(年末にやるなら 来年やりたいこと 100 の作り方 の手順が使えます)

バケットリストの語源(バケットリストとは)が示す通り、これは「死ぬまでに」のリストです。つまり期限は最初から決まっていて、私たちが決められるのは順番だけ。その順番を決める道具として、リストを作ってみてください。書き出しの 30 分は、人生の残り時間の使い方を変える 30 分になり得ます。


FAQ

よくある質問

バケットリストには何を書けばいいですか?
ルールはひとつだけ——「死ぬまでに経験しておきたいこと」なら何でも書いてかまいません。旅行や冒険だけでなく、家族と過ごす時間、学び直し、創作、健康、仕事の挑戦まで全部が対象です。大きさも問いません。「オーロラを見る」と「父と二人で温泉に行く」は同じリストに並べてよく、むしろ小さい項目が混ざっているリストの方が実行率は上がります
バケットリストは何個書くのがいいですか?
最初の書き出しは 50〜100 個 を推奨します。最初の 20〜30 個で「他人に見せられる願望」が出尽くし、その先に本音が出てくるからです。100 個の出し方のコツは やりたいことリスト 100 の作り方 で詳しく解説しています。ただし全部やる必要はなく、実行に移すのは年に 3 個程度で十分です。
バケットリストを書いても続きません。どうすればいいですか?
続かないのはあなたの意志の問題ではなく、「いつかやる」という期限のない形式そのものの欠陥です。解決策は 2 つ——項目を年代帯(〜30 代・40 代前半…)に振り分けること、そして直近の 3 個だけ実行日付を決めることです。構造的な原因の分解は バケットリストが続かない 5 つの理由 をどうぞ。
バケットリストは紙のノートとアプリのどちらで作るべきですか?
書き出しは紙、運用はデジタルが最も挫折しにくい組み合わせです。発散のフェーズは手書きの方が本音が出やすく、書いた後の並べ替え・見直し・日付管理はアプリの方が圧倒的に楽だからです。詳しい比較は バケットリストはノートとアプリどっちで作る? にまとめました。
夫婦や家族で一緒に作ってもいいですか?
むしろ推奨します。ただしまず各自が一人で書き出してから持ち寄る順序を守ってください。最初から一緒に書くと、相手に合わせた「無難な項目」しか出てきません。お金の配分も含めた夫婦での作り方は 夫婦のバケットリストとお金 で扱っています。
途中で内容を変えたり消したりしてもいいですか?
バケットリストは一度書いたら固定される誓約書ではなく、年 1 回は棚卸しして書き換えるのが正しい運用です。価値観が変わって消える項目は「成長の記録」であって失敗ではありません。消した項目は削除ではなく「もうやらない」欄に移しておくと、自分の変化が後から読み返せます。

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